【社労士解説】双極性障害の障害年金更新|等級変動を防ぐ書き方

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伊藤社会保険労務士事務所

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結論

双極性障害の障害年金において、更新手続きは「自動的に継続されるもの」ではありません。

更新時の審査は、医師が作成する『障害状態確認届(診断書)』1枚のみで行われます。初回の申請時に提出したような「申立書」を添えることができないため、診察室で医師へ「躁とうつの気分の波」や「日々の生活の辛さ」を正しく伝え、実態に即した診断書を書いてもらうことが、等級落ちや支給停止を防ぐ最大の鍵となります。

この記事が向いている方

  • 双極性障害で障害年金を受給中で、数ヶ月後に更新を控えている方
  • 「次回の更新で等級が下がる・年金が止まるのでは」と不安を抱えている方
  • 躁状態のときに受診が重なると、審査で不利にならないか心配な方
  • 受給開始後に働き始めたため、更新審査にどう影響するか知りたい方
  • 初回申請時の主治医から別の医師へ変わり、診断書作成に不安がある方
  • 奈良県(奈良市やその周辺)で専門の社労士を探している方

1. 双極性障害の障害年金「更新(有期認定)」の仕組み

双極性障害をはじめとする精神疾患の障害年金は、症状の改善が期待できるため、一生涯もらい続けられる「永久認定」ではなく、1〜5年ごとに審査を受け直す「有期認定」となるのが基本です。

指定された年数の誕生月の約3ヶ月前に、日本年金機構から「障害状態確認届(更新用の診断書)」が郵送されてきます。これを主治医に記入してもらい、誕生月の末日までに提出することで更新審査が行われます。

2. 更新で等級が下がる・支給停止になる3つの理由

更新審査の結果、2級から3級へ下がってしまったり、支給停止になってしまうトラブルは決して珍しくありません。その主な理由は以下の通りです。

① 医師とのコミュニケーション不足

診察時に「最近どうですか?」と聞かれ、つい見栄を張って「大丈夫です」と答えてしまうことで、診断書に「症状が軽快した」と書かれてしまうケースです。

② 「波」が正しく伝わっていない

双極性障害特有の「躁状態でのトラブル」と「うつ状態の寝たきり」の落差が伝わらず、たまたま調子が良い受診日の印象だけで軽く評価されてしまうケースです。

③ 働き始めたことによる誤解

就労を開始した場合、職場で手厚い配慮を受けてかろうじて働いている状態であっても、診断書にただ「就労できている」とだけ書かれると、「労働能力がある」と判断されてしまいます。

3. 診断書「日常生活能力の判定」の重要性と注意点

更新時には、初回申請時に提出した「病歴・就労状況等申立書」がありません。つまり、医師の書く診断書がすべてとなります。双極性障害の更新において、最も等級を左右するのが診断書裏面の「日常生活能力の判定」です。

この欄は、「食事」「清潔保持」「金銭管理」などの7項目について、「単身(一人暮らし)で生活したと仮定した場合」にどの程度できるかを評価するものです。家族と同居していると、実際には家族がサポートしているのに「できている」と評価されがちです。更新の際にも、必ず「一人暮らしを想定した評価」になっているか、医師と認識をすり合わせる必要があります。

4. 双極性障害特有の「気分の波」をどう伝えるか

双極性障害の更新で最大のネックとなるのが、躁(そう)状態とうつ状態の波です。

躁状態のときは一時的に活発になり、医師にも「元気になった」と映りがちです。しかし、その状態は長く続かず、過度な浪費や対人関係のトラブルを引き起こした後に、激しいうつ状態に陥ります。
更新の診断書を依頼する際は、「良い時のこと」ではなく「悪い時(うつ状態)」や「躁状態によって引き起こされた具体的なトラブル」を中心に伝えることが、実態に即した評価を得るための極意です。

5. 働き始めた場合の更新への影響と対策

障害年金受給中に働き始めた場合、更新審査のハードルは上がります。しかし、働き始めたからといって即座に支給停止になるわけではありません。

就労している場合の診断書対策

働き方の種類 審査への影響と対策のポイント
就労継続支援(A型・B型) 配慮が前提の福祉的就労であるため、比較的等級は維持されやすいです。診断書には「指導員の手助けや見守りが常に必要」といった実態を書いてもらいましょう。
障害者雇用 就労継続支援に次いで配慮が認められやすいですが、具体的な配慮内容(別室での休憩、単純作業への限定など)を医師に伝える必要があります。
一般雇用(フルタイム等) 最も等級落ちや支給停止のリスクが高い働き方です。「頻繁な欠勤」や「帰宅後の極度の疲労・寝たきり状態」など、就労による日常生活への深刻な悪影響を客観的に証明する必要があります。

6. 主治医が変わった場合のリスクと対策

「引っ越し」や「医師の異動」「転院」などで、初回申請時と現在の主治医が異なる場合は特に注意が必要です。

新しい主治医は、あなたが過去にどれほど辛い思いをしてきたか、現在までにどのような気分の波があったかを深く把握していません。いきなり更新の診断書用紙だけを渡すと、表面的な会話だけで判断され、実態より軽い診断書になってしまう危険性が高まります。
依頼時は、これまでの経緯をまとめた手紙や、前回申請時の診断書のコピーを必ず渡し、情報共有を徹底してください。

7. 更新時に症状が悪化していたら「額改定請求」も可能

受給開始時から双極性障害の症状が悪化し、「3級から2級へ」「2級から1級へ」等級を上げてもらいたい場合に行うのが「額改定請求」です。

額改定請求は、更新のタイミング(障害状態確認届の提出時)に合わせて行うこともできます。更新用の診断書を用いて、より上位の等級に該当すると判断されれば、請求した月の翌月分から年金額が増額されます。ただし、逆に「審査の結果、以前より良くなっている」と判断されて等級が下がるリスクもゼロではないため、事前の慎重な見極めが不可欠です。

8. 当事務所のサポート体制と実績

「奈良障害年金専門サポート みらい(伊藤社会保険労務士事務所)」では、新規の申請だけでなく、更新時のサポートや、支給停止からのリカバリー、額改定請求の手続きも強力にバックアップしています。

当事務所の強み

  • 医学に強い障害年金専門社労士: 元理学療法士として医療現場に30年以上従事。医師がどのような視点で診断書を書くかを熟知しており、実態を正確に反映してもらうための「医師への参考資料(依頼状)」の作成を得意としています。
  • 安心の更新サポート: 働き始めた方の難しい更新手続きや、主治医変更に伴うリスク管理など、状況に合わせた最適なアプローチをご提案します。
  • 年間相談件数200件超え: 奈良市を中心とした奈良県全域で、双極性障害・うつ病などの精神疾患に関する圧倒的な実績を持ちます。

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9. よくある質問(FAQ)

Q1. 更新の手続き(障害状態確認届)はいつ頃届きますか?
A. 誕生月の約3ヶ月前に日本年金機構から「障害状態確認届(更新用の診断書)」が郵送されてきます。この用紙を主治医に記入してもらい、誕生月の末日までに提出する必要があります。
Q2. 躁(そう)状態で元気な時に受診すると等級が下がりますか?
A. 双極性障害の場合、一時的に活動的になる躁状態のときに「元気になった」と医師に誤解されると、診断書が軽く書かれて等級が下がるリスクがあります。診察時の状態だけでなく、その後のうつの落差やトラブルを含めた『全体的な波』を正しく伝えることが重要です。
Q3. 更新の時にも、初回申請のような「申立書」は必要ですか?
A. いいえ、更新時(障害状態確認届の提出時)には「病歴・就労状況等申立書」の提出は原則不要です。医師が記入する診断書のみで審査が行われるため、初回の申請以上に、診断書に実生活の不便さが正確に反映されているかどうかが極めて重要になります。
Q4. 障害枠で働き始めました。支給停止になりますか?
A. 障害者雇用(障害枠)や就労継続支援での就労は、周囲からの配慮や援助が前提となっているため、働き始めたからといって直ちに支給停止になるわけではありません。診断書の就労状況欄に、職場で受けている具体的な配慮事項を医師に正しく記載してもらうことが重要です。
Q5. 更新で等級が下がってしまいました。もう元には戻りませんか?
A. 等級が下がってしまった場合でも、「審査請求(不服申立て)」を行うか、将来的に症状が悪化したタイミングで「額改定請求」を行うことで、元の等級に戻せる可能性があります。結果通知が届いたら、諦めずに早めに専門家へご相談ください。

10. まとめ|更新手続きは油断せず準備を

  • 双極性障害の障害年金更新は、医師の診断書(障害状態確認届)1枚のみで審査される
  • 診察室で見栄を張ったり、気分の波(躁うつ)を正確に伝えないと等級落ちのリスクが高まる
  • 働き始めた方や主治医が変わった方は、特に慎重な対策が必要
  • 診断書を依頼する前に、生活のしづらさをまとめたメモと前回のコピーを医師に渡す
  • 症状が悪化している場合は、更新に合わせて「額改定請求」で等級を上げることが可能

11. ご相談について

一度障害年金の受給が決定すると、ホッとしてしまい、更新の際に何の準備もなく医師へ診断書用紙を丸投げしてしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、精神疾患の更新審査は年々厳しくなっており、「何も変わっていないはずなのに等級が下がった」「働き始めたら支給停止になった」というご相談が後を絶ちません。

日々の治療に専念し、生活の安定を維持し続けるためにも、更新手続きに関する不安やお悩みがあれば、無料相談で個別にご案内しています。ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

12. 無料相談のご予約方法

お電話・LINE・メールよりご相談ください。

前回提出した診断書のコピーがお手元にあると、よりスムーズで具体的なアドバイスが可能です。

13. 監修者:伊藤 茂朗
社会保険労務士 / 伊藤社会保険労務士事務所(奈良障害年金専門サポート みらい)代表

障害年金専門社労士として、奈良市を中心に年間200件超えのご相談を受けている。元理学療法士として医療現場に30年以上従事した経験を活かし、双極性障害・うつ病・統合失調症などの精神疾患をはじめ、幅広い傷病の障害年金申請・更新手続きをサポート。医師との連携や、的確な参考資料作成による「等級維持・額改定」の実績も豊富。

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投稿者プロフィール

伊藤 茂朗
当事務所では奈良市を中心に奈良県全域の障害年金に関する幅広いサポート依頼に対応しております。
相談者にとって最大限のお手伝いができるよう、精一杯取り組みますので、具体的な障害年金に関するご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。元理学療法士の代表社労士が真摯に対応いたします。
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